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俳句エッセイ  レオのいた日々

目がさめると庭に出て犬を探すことから一日が始まった。

老犬は薔薇やアーブの花壇にうずくまっていたり、犬小屋のなかにいたりした。生まれたてのときは焦げたパンケーキのいろをしていた。すっかり白くなった腹 をかすかに上下して、ときおり脚をピクピクと動かしている。外を走っている夢を見ているのね、まだ生きているよと、ほっとする。

レオは野性が強くて、庭から逃げるのが好きだった。昨年の11月に逃げたのが最後になった。

Dr.Harerraは、ずいぶん年をとりましたね。17歳と2か月ですか、と言ったあとで手順を説明した。それは、鎮静剤を打つと痛みがやわらぎます。 10分後にfinal injectionをします、というもので、レオは気持ちよさそうにいびきをかきながら逝った。とうとうHe is gone.と言った。

こどもたちがかわるがわるに抱き上げて庭にテントを張っていっしょに眠った夜、秋田に噛まれた日、ラクーンやオポサムを退治した日、いつでも機嫌よく留守番していた、レオのいた日々、それらにさようなら、ありがとう。


 じゃからんた紫の野に犬眠る
 老犬の夢みているかばらの風
馬齢