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俳句エッセイ  マーマレード

2月、新幹線で京都から東京に向かっていた。

米原、関が原あたりは雪が多くて速度をゆるめている。雪景色がまぶしくて目を細めているといつの間にか眠っていた。ふと目がさめたとき車窓に輝く雪の富士が。

 佳きことの予感おどろく雪の富士

馬齢
                             

ふるさと日本のことを考えて旅仕度していると、ここパロスベルデスが故郷そのままになつかしい。しばらく日本にいると、さあカリフォルニアにもどろうと思うと、大阪がなつかしい。

芭蕉も常に、「他郷即吾郷」と言っている。

 秋十年却って江戸を指す故郷

芭蕉
                             

LAX空港に降り立つと、空気がまるでプランクトンの棲まない火山湖のように無臭だ。

パロスベルデスにもどって私は、オレンジの皮をむいている。先ほどまで庭で太陽を浴びていたのを5つ、まだ温かいのをうすくむいている。トパアズ色の香気 が飛んで台所をいっぱいに満たす。今年は三月はじめに夏時間に変わって、夕方は6時をすぎてもまだまだ明るい台所でマーマレードを煮ていくとだんだんと透 きとおっていって。


 透きとおるオレンジの皮朝のパン

馬齢
                             

季節が移って東京では桜が満開だそうですね。


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