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俳句エッセイ  かむり雪

時差という言葉を認めたくはないけれど、眠れなくて天窓をみあげていたのです。仲秋の名月でした。

 夏の月やさんしょう魚は瀧壷に
馬齢

この句を生むために眠れなかったのだと思いました。

2007年9月はじめの早朝、箕面瀧に出かけたとき、涼しい木陰は、苔のにおいや歯だのかおりに包まれて、紅白の水引草が生きる喜びに震えていました。青かえでの 奥の瀧を、なにやら長くて赤茶色のものがゆっくりとよじのぼっています。「蛇かしら?」と思ったとたんに、ころころ、ころ、緩い動作で回転しながら50セ ンチほど落下して岩のうえに静止しました。あれー目をまわしてしもうて阿呆なやつ「大丈夫かしら?と思うと心配で眠れない夜もありました。

2008年2月24日、朝から千里に雪が舞っていました。やっぱり山椒魚が気にかかって、歩いて出かけたのです。
山椒魚は瀧ふかく眠っているのか、お目にかかれなくて心残りでした。

 滝壺にはんざき眠る雪冠
馬齢


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