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命の水の泉から 竹下弘美
二 年前に撮影した息子の短編映画、Shiftが昨年の初めにできあがった。音楽をつけたり編集したり、撮影がすんだ後も長くかかった。そして、昨年の夏、ロ サンゼルスの映画祭ではベストピクチャーに選ばれ、登竜門といわれるハンプトン国際映画祭にもノミネートされた。エグゼキュティブプロデューサー(お金を 多く出した者がこのタイトルをもらうのだそうだ)として、私と夫は映画祭で上映されるたびに、観客を動員するため、奔走した。そして、今回はやっとDVD になり、アマゾンドットコムで売り出された。これもまた売れ行きが気になる。製作しても見てくれる人がなかったら、意味がないからだ。 それまで、私は映画を製作するということが、あんなに時間と費用がかかることとは、知らなかった。そして、何よりも神様が働いてくださらなければ、何もできなかったと、神様への感謝につきる。 まず、サンフランシスコでのロケのためにニューヨークからきたクルーの13名を9日間我が家で、食べさせることができたこと、これは思いだしただけ でも気が遠くなるようなことだった。また、霧のシーズンのサンフランシスコだったが、撮影予定日の午後ほんの一瞬晴れたこと、― この時もどんなに祈った ことか、また夜の撮影で、クルーたちは夕方5時にでかけ、朝の4時には戻る予定が、朝7時になっても帰って来なかった時の私たち夫婦の必死の祈り。朝9時 に帰って来るまで一睡もできなかった。一晩かけて撮影したそのシーンはたったの7分だった。また、メインのニューヨークでの撮影に入ろうとしたとき、場所 を貸してくれるはずだった所から、お断りがきた。どこをあたっても、ロケ先が郵便物を取り扱う場所であったため、次々と断られた。911事件のあと、郵便 物を扱う場所を貸すということは、危険を伴うという理由だった。計画通りに進まず、そのために予定していた俳優たちもスケジュールが狂ったことから、ほか の映画にいってしまった。そんな困った状況だったのに、最高の場所が与えられ、代わりの俳優がかえって良い演技をし、NYUでの映画祭では主演男優賞を受 賞した。 先日日本に行ったとき、クリスチャンの方が製作した自主映画の「筆子―その愛―天使のピアノ」を見た。やはり、場所代がかかるからだろう。教会での 上映だった。山田日砂子監督曰く、晴れのシーンでは必ず、神様は晴れさせてくださったと。(ごろつき役でアーサーホーランド師も出演していた) 神様が共にいてくださり、祈ることができるから、私たちには恐いものはない。
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