命の水の泉から  竹下弘美 


嵐を静めるお方

「明日のことは明日自身が思いわずらうであろう」 マタイ6-34

先号で、息子が卒業制作の映画のため、ロケ隊をニューヨークから15名連れてくることになっているということを書いた。

そしてついにその日がきた。始めは準備のため、4名が到着。息子と気心が知れているメンバーで私も気を使うこともなく、普段より多めに食事を用意す ればよかった。5日目から、13名になり、15名となると、食事時はまさに嵐だった。出したとたん、すぐ蟻が群がるようにテーブルに人々が集まり、あっと いう間にお皿の中身がなくなる。恐ろしいくらいだった。

みな、20代の若者だし、ロケで疲れてお腹をすかせて帰ってくるから当然で、その上、ただ働きだから、食べることしか楽しみがないわけだ。その日の メニューだけではたりなさそうだと、非常用に用意してあった、チリの缶詰なども出したが、すぐ無くなった。ベーコンチキンや揚げギョウザもいままでの私の 生涯でこんなたくさん作ったことはないというほど、作った。だんだん、量のかげんなどもわかり、愉しくなってきた。耳元で、「楽しめと楽しめ、最高に楽し め」という先週の礼拝メッセージが聞こえる。

ロケの2日目の前日、翌日は夜の撮影が6時半だから、昼を用意してほしいこと、また夕食はロケ先で食べるように用意してほしいと急に言われた。私は勤めがあって到底昼は、作れない。ピザなどのファーストフードはだめだといわれている。どうしょう。心が騒ぐ。祈った。

そこに友人から電話がかかってきた。翌日、何かどうしても作って私を助けたいというではないか。彼女に甘えて、昼を用意してもらった。また、夜はあ るお宅を借りての撮影だから、先方に迷惑をかけてはいけないので、お弁当形式にすることにした。ちょうど、その日は教会の友人が、照り焼きチキンを作って くれることになっていた。それにカリフォルニアロール、いなり寿司はどうかと思い、仕事から帰ってからできるカリフォルニアロールを自分で作ることにし て、また、助っ人を申し出てくれた友人に電話をすると、快くいなり寿司60個を作ってくれた。

また、その日は若い友人二人が、お手伝いしますと、現れ、その中の一人は仕出しやさんでアルバイトをしていた経験があって手際よくお弁当15個の制 作に采配を振るってくれた。まるで、神様が送ってくれた天使だった。この日はすべて友人たちの助けで乗り切ることができた。前もってメニューを作っていた が、この日から、「明日のことは明日自身が思いわずらうであろう」の御言葉のように、神様から知恵をいただいて、その日その日を乗り切ることにした。

「Mrs. Yi, Your meals were delicious」嵐の後、発っていったクルーの置き手紙だ。

神様の助けなしには、この嵐を乗り切ることはできなかった。

 


トップに戻る



Home