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命の水の泉から 竹下弘美 映 画制作に携わっている息子がいよいよ一行を連れて、SFでのロケに帰ってくる。コマーシャルの映画だったら、すべて供給されるのだが、彼の場合は卒業制作 であるため、資金作りから何からすべて自分でしなければならない。すでにNYでのシーンのロケは一部終わり、SFでのシーンは4日だけだが、それでもそれ に係わる人々は13名。その人たちがコストを下げるためみな、我が家に9日間滞在するというのだ。宿泊だけではなく、この若者達に食べさせなければならな い。当然それは私にかかってくる。 いったい、何を食べさせれば良いのだろう。1日2日なら、私にもできるが、9日間だ。また、その4日前から4名来るから、計2週間は家族以外の人を 食べさせなければならなくなる。エンプティネスト(空の巣)と化していた我が家にとっては一大事だ。息子にいろいろきくと、ピザやパスタはだめだという。 そういうものを食べると動きが鈍くなり、良い仕事ができないという。毎日をサンクスギビングのようなつもりで、用意してくれという。1日目はターキーで、 そのあとは毎日肉の部分を変えてローストビーフにしたり、野菜類とサラダにしてほしいという。それにアメリカ人だ。お米もあまり食べないだろう。 パニックして、息子の友人の母親に電話をした。彼女はすでにその息子さんの映画のために経験済みだからだ。彼女は、いろいろなアドバイスをしてくれ た、13名ということは、夜携帯電話のチャージをするから、13のアウトレットがなければならないこと、トイレットペーパーをたくさん用意すること、な ど。そして、彼女の作った毎日の献立のリストをメールしてくれた。それを見ると、別に大した料理をしたわけではなく、ミートローフだったり、ハンバーガー や、ホットドッグのときもある。バーベキューをしたり、1日はバーベキューでハンバーガーやホットドッグにしてもよいわけだ。友人たちに相談しまくった。 エンチラダのレセピーとともに、スロークッカーを貸してくれる人がいたり、薄切り肉の鉄板焼きをしたらよいと鉄板を貸してくれる人が現れたり、ぞくぞくと アドバイスが集まった。 昔、教会の若い人たちをいつも食事によんでいた。あるとき、予想以上の人が集まることになったとき、用意した食事の量が足りるかどうか心配になっ た。そのとき側にいた高校生だった姉妹が、「祈ればいいじゃないの。5つのパンと2匹の魚で5千人を養ってくだったイエスさまに」と言ってくれて、はっと したことがあった。 私には神様がいるではないか、あの時のように、私の主に祈りつつ、アイディアをいただいて、その日に備えることにする。ある姉妹は「彼女がユーモアとペイシェンス〈忍耐〉をもって対応できますように」と祈ってくれた。
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