昨年から今年にかけて3度裁判所に証人として行きました。我が人生2度目の経験です。どうも病院と裁判所は苦手。気が滅入ります。考えてもみて下さい、どちらも雰囲気が重苦しく、暗〜い感じがするではないですか。
それにどうしてあんなに待たされるのですか。一度なんか待つだけのために行ったことがありました。ただ待っただけで何もせずに帰って来たのです。人が一杯いるのに、笑い声が聞こえて来ません、あそこは。 尤もゲラゲラ笑っていると、不謹慎者と思われるかもしれませんし、廊下には「裁判中につき静粛に」という立て看板が立ててあります。
廊下で座って待っていると、あそこには2種類の人間しかいない事に気が付きます。背広を着て分厚い重そうなカバンを持っている人と、浮かない顔をしている人です(訴えている人も訴えられている人もです。)カバンを持っているのは勿論弁護士で、比較的張り切った顔をしている様に見えます。
勝っても負けても余り関係ない、と言った顔をした弁護士もいるようだし、禿鷹の様に鋭い目をして獲物を狙っていそうな顔をしているのもいる。<これはビジネスなのだ>と割りきった顔をしているのがどうも多いような気がしてならない。誠実そうで、自分のクライアントを何とかして助けてあげたい、と親身になっているような弁護士は、テレビの世界だけなのだろうか。それにしては少し淋しい限りではないか。
私達のグループは、当事者と私、そして二人の教会員と当事者の友人が二人。待っている間色々な話が出て、教会員のFさんと当事者の友人のAさんがゴルフの話をし始めた。横で話を聞いていると、どちらも相当な腕の持ち主らしい。彼らが夢中で話をしているとき、私が横からひょいと割って入り「わたしは135です」と言ったら、「血圧の話をしているのではありません」と軽くいなされてしまった。(お呼びでなかった訳だ。)
そのうちにFさんがAさんに伝道を始めた。「土曜日にゴルフに行きましょう。日曜には教会には来ませんか」てな具合です。横で牧師の私は感心して聞いていた。いやー、これは凄いな。どんな機会をも捕らえて伝道するとはクリスチャン魂も相当なもんだ。こんな裁判所という場所でとても私には出来ない、と恐れ入った次第です。
安藤秀世(サウスベイ・ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップ牧師)
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