「智恵ある者の心はその言うところを賢くし、
またそのくちびるに人を説きつける力を増す。」箴言16:23
日本に行った時のこと、「アレッ?」と思ったことがある。それはある駅のアナウンスの言葉にチョットした、今までとはニュアンスの違う言葉使いに気がつかされた。
あのスピーカーでガーガーがなりたてる騒音と悲鳴に近い音には変わりなかったが(あれには全く気がおかしくなる。よく皆な平気でいられると感心するが、多分諦
の境地か慣れだろうな)、言葉に多少の工夫があったように思える。
それは正に電車が発車する時に、「ドアが締まります、掛け込みは危険ですからご注意くださ〜い!!」「掛け込みは危険で〜す。」とやっていたのが、「ドアを閉めます。掛け込みは危険です。ドアを閉めます。」となっているところがあった。「ドアが…」と「ドアを…」の違い。そう「ドアを閉めます!!」はキッパリと断定的に言っている事です。「もう閉めますから掛け込みは出来ません」と非常に冷淡に突き放した言い方です。
一方従来の言い方だと、「お気を付け下さい。ドアに挟まると危ないですよ。だから無理をして掛け込まないで下さい。ドアを閉めますよ、ドアを閉めますよ、良いですか? 危ないですよ」ととても優しい表現に聞こえる。「ドアを閉めます」に変えた駅は、掛け込みが少なくなったとか。言葉の効用は微妙に人間の心理に働き掛けるものだということが分かった。
もう一つは「プッと」噴出しそうな、思わず出たことば。名古屋から東京に向かう新幹線の中でのこと。スーツケースを持っていたので、切符を買う時、出来るだけ車両の後部座席を下さいと頼んだ。車両に入るとなるほど一番後ろの窓側席になっていた。ところが、私の隣にビジネスマン風の男性が座っていた。しかし私達の前3列くらいは誰も座っていなくて空いていた。せめてもう一列前の席だと一人で座れるのに、と思い暫くそのままにしていたが車掌が来たので、前に移ってもよいかと尋ねたところ、問題ないと言う事だったので、お隣サンに「前に移ります」と言うと、咄嗟に「ぜひどうぞ!!」と言った。これって何かヘンな表現だと思いません? 「ぜひ」はないでしょう「ぜひ」は。
因みに東京駅に着いた時わかった事なのだが、彼には同僚がいて、通路を挟んだ席が彼の本来の席であったことが分かった。移らなければならないのは彼の方であって、何で私が移らなければならなかったのか。チョット頭に来てしまった。「ぜひ」とまで言われて。
安藤秀世(サウスベイ・ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップ牧師)
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