リバイバル新聞社 「北米における宣教の働き」
 
 南カリフォルニア』(その2)

 私は1994年5月にアメリカに来ました、そして洗礼を受けたのがその年の9月13日。私のように目的はどうであれ、アメリカに来て学校なり仕事なりに就いて生活しているうちにクリスチャンの知り合いが出来、教会に行くようになり、教会の人達の暖かい雰囲気の中でやがて信仰を持ち受洗に至る。そしてやがて神の召命を受けて献身し、神学校に行きフルタイムの牧師へと導かれて行くケースは決して少なくない。

 現に私達の教団の日語牧師(総勢15名プラス学生牧師1名)のうち、何らかの理由でアメリカに渡り信仰を持って牧師になったのが8名いる。実に半分の教職者がアメリカで信仰を持ち、日本で神学教育を受け再びアメリカに戻りこの地で奉職している。受洗者数においてもアメリカ全国を合わせれば相当数になるものと思われる。かって、中野雄一朗先生(元ホノルル・ホーリネス教会牧師、現在巡回伝道者)が言っておられましたが、ある年、日本での総受洗者数と日本以外の国での日本人の受洗者数がほぼ同数(夫々2000名)であったと報告されました。それだけ外国に出ると教会に行くチャンスに恵まれ、信仰を持つ機会が多くあると言うことです。

 アメリカで信仰を持ち、帰国して教会につながって信仰を保ち続ける人も大勢いますが、雰囲気が合わずに教会から離れる人達も大勢います。アメリカで教会には来ていたが信仰を持たずに帰った人の中で帰国後信仰を持った人もいます。こちらの日本人教会はまるで汽車の駅のようで、乗り降りが激しい。こちらで信仰を持った学生や商社関係の人達の殆どが帰国する。視点を変えて見れば、日本によき働き人また宣教師を送っている事になる。

 私の親しい友人がこちらで大学卒業後邦銀に勤め、信仰を持ち日本に帰国後、教会の筆頭執事や、超教派の働きも熱心にやっている。こちらで受洗、献身までして日本に帰り、神学校に行き、ミニストリーの働きをする人が幾人もいる。学生伝道をしても実としてこちらに残る可能性は殆んどないが日本での働きが期待出来る。若い人達は伝道に対する情熱が熱く、日本に帰っても熱心に伝道に励んでいる。それはまるで宣教師を送っていると言っても過言ではない。

 こんなケースもある。アメリカ人教会で信仰を持った若い女性が、英語があまり理解できないと言うので、私がやっている家庭バイブル・スタディーにやって来た。突然目が開かれ献身して日本の神学校でいま勉強している。この4月からも今日本に帰っている独身の女性が神学校に行くと言う。

 どちらもアメリカ人の教会で洗礼を受け、我が家の日本語での聖書の学びに来ていた人達。アリゾナのツーソンというあまり日本人のいないところへ、ご主人の転勤のために移られた専業主婦の吉谷礼子さんが家庭集会を始められた。3年ほどの間にアリゾナ大学に留学していた学生40人以上が救われ、日本で神学校に行ったり、青年海外協力隊に参加してマーシャル群島や、ミャンマーにまで行くという素晴らしい奉仕に従事している。

 心の弱っている人達も日本からよく来ます。不登校で引きこもっている人達、精神病院入退院を繰り返した人達、摂食障害等で苦しんでいる人達が、南カリフォルニアのカラッと晴れわたった青々とした広い空と、まぶしい太陽で、ゆったりした気分になって、教会の礼拝や家庭集会に集い、癒しのきっかけを得て帰国する人もいる。 

 このような働きがアメリカにある日本人教会でなされている。こちらにご自分の集会所や伝道所を建てられる日本の先生方もおられるが、むしろこちらに人材を送って下さり、現地の教会と協力して日本人伝道を助て下さる方が、どれだけ助けになる事でしょうか。それに現地の教会・教職者との精神的軋轢も生じないで気持ちよく伝道できると思われるのですが。

 日本から多くの先生方が特にカリフォルニアに集中して伝道旅行と銘打って来られます。先生方も色々なタイプがあり目的も夫々違いますが、真剣にこちらでの明確な伝道を目的としたものでない限り、ご自分のキャリアアップのために来られるのは、受ける側としてもただ牧会的配慮だけに終わってしまう。

 伝道もグローバルな視点で考える時(ご自分の教会に直接つながる魂と言うことに関しては益にならないかも知れないが)、日本人に対する伝道の実が普遍的な天に於ける教会につながる事は確かで、やがてその実がご自分の教会にも帰ってくる事でしょう。

 日米にある教会が良きパートナーとなって21世紀を日本人教会のリバイバルとさせて頂きたいと祈る者です。「北米における宣教の働き」5回の連載の機会をいただき、ここにリバイバル新聞社のご好意に心から感謝致します。この連載が日米相互の宣教の業の一助になればこれほど嬉しいことはありません。何処かでお会いできることを楽しみにしつつ。

 
安藤秀世サウスベイ・ジャパニーズ・クリスチャン・フェローシップ牧師